学生時代のはじめ、フランス人の哲学の教授から、こんな話を聞いた。すべては偶然でしかない。あなたがここにいることにも、何の意味もない。
カトリックの女子校で毎日お祈りをしてきたわたしは、しばらく放心した。それから長いあいだ、わたしは意味のない世界を、ただ頑張ることで生きてきた。
あの日から約1年半後、学生時代の夏休みに、わたしはインドのコルカタで、マザー・テレサに出会った。マザーが亡くなる2週間ほど前のことだ。人の輪のいちばん後ろで立ちつくしていたわたしに、車椅子のマザーは手招きをして、頭をなでてくれた。
「good girl」
わたしは、マザーのか細いおばあちゃんの声を、からだ全部で受けとめた。
そして、嗚咽して泣いた。あのとき以上に泣いたことは、いまもない。
それから何年もかけて、わたしはセラピーとからだのワークを通して、自分の内側をたどっていった。2015年、長野の山の中のダンスワークで、ずっと落ちるのを恐れていた井戸の底に、わたしは落ちた。そこは、思ったほど悪い場所ではなかった。やさしかった。その日、わたしは「月の探究者」という名前を受けとった。
ふり返ると、いちばん苦しいときにはいつも、偶然のような出来事が、わたしを見つけてくれた。いまのわたしは、それを「意味のある偶然――シンクロニシティ」と呼んでいる。
2016年に始めた講座、のちのハートエデュケーションセンターでは、トラウマの癒しを伝えてきた。けれど、その奥でずっと続けてきた霊的な探究については、あまり語ってこなかった。SHE Center は、その「まだ語っていなかったこと」を、ようやく形にした場所だ。
